経済産業省主導のAI教育

先週は南米ボリビアを観光しました。標高4000mを超える山にある湖や砂漠は非日常を感じることができました。移動中は最近関心を持っているAIの勉強をしていました。ずっと室内に篭るよりもアウトドアしながら勉強するのも気持ち良いものです。今月から本講座に参加し、AIの学習を進めています。経済産業省主導でAIエンジニアを急速に増やそうとしている動きに乗っかろうと思っています。すでに映像を認識して動作するロボットAIが社会に出ているにも関わらず、ただ文字を見てデータ入力するだけの名刺や会計データ入力の仕事は日本国内で数10万件募集があります。深層学習無しのOCR(光学文字認識)では全く実用に足りる精度が出ず、ある程度進んでいる会社はOCRで発生した文字化けを直す仕事に切り替えているようですが、深層学習を使うと手書き文字でも精度97%を超えます。将来的には映像を高速で解析できるソフトを作成してみたいところですが、そこに行き着くまでの文字認識だけで上記のように広い需要があることを感じています。私が受講している本講座はあまりの受講者の多さに運営はパニック状態です。アメリカではAWSや大学がどんどん無料で講座を開いているようで、私が受けている講座でも参照するデータはアメリカの大学が公開しているものです。日本の状況は分かりませんが、トウモロコシしか無いネブラスカですら大学でもPythonの講義があり、ディープラーニングのMeetupも頻繁に行われていています。日本では大阪ガスのデータ分析の成功例が有名なようですが、大きな要因はコーポレート部門にデータを取り扱う部門があり、全ての事業部のデータを社内で取り扱ったことが大きいと個人的に思っています。しかし多くの場合、各事業部が社外(ベンチャーや子会社)でこれらを扱われ、社内に役割は無いと思います。何か一部でもAIで処理できれば大きな価値があることは分かっているので、会社は関係なく個人で勉強していくことが大切と思っています。国からの依頼で大学行った公開講座はまだ数回目で、輩出した人材もまだ1000人程度。まだ本当にその価値が広く理解されておらず、今はAIが流行言葉として扱われていると思います。お金を持っている警察や病院、大規模農家などがAIを使い始めている段階で、まだまだ一般には降りてこないと思います。ですので一部ではMicrosoft Office資格でデータ入力をする仕事はAIに置き換わらないという記事も目にします。それは誰もそんな小さなところに目をつけていないからだと思いますが、需要と供給のバランスが取れてきた段階で置き換わると思います。もしくは収入の低い20代がもっとAIの勉強をし始めるとさらに早く普及すると思います。いろいろとAIの勉強ブログを読みましたが、勉強されているのは年配の方が多く、社長、CTO、幹部がほとんどで、日本の若い人たちはあまり勉強していないことが分かりました。これも大規模なプロジェクトでしかAIが使われず、一般では流行言葉でしかない原因と一つかと思います。AIを最先端で研究している松尾研究室は記事で日本の若者に対して強い言葉でメッセージを送っていますが、国外から見ないとあまり実感はわかないでしょう。勉強する時間や役割を与えられずに深夜まで会社で時間を潰すことについて何度もその理不尽さについてアメリカで話してきました。先週ボリビアから帰国するときの飛行機で隣に過去にトヨタで働いたことのあるマイアミ在住のアメリカ人の方とも同じ内容で雑談しました。ここまで海外から見た日本の働き方の理不尽さに対して同じ考え方が共有できるとは思っていませんでした。現状を変えないといけないと思っていますが、それは全く日本に響かないこともアメリカで良く分かりました。